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ブル先生の訃報を聞いて・・・ [音楽ばなし]

畑中良輔先生が 24日に亡くなられたという記事を目にしました。
90歳とのことです。

天国で、陽ちゃん先生に「あなた、やっと来たの!」って言われてるんじゃないかな?
陽ちゃん先生は1990年にお亡くなりになったから、22年ぶりの逢瀬ですね。

あれは何年前になるのか、畑中先生の指揮で歌った「水のいのち」。
本番だけじゃなくて、レッスンの時間が 宝物のように素敵なひとときでした。

ちょっと指導するだけで、合唱団の団員が総入れ替えしたかのように
段違いに上質な音楽になってしまう。
そういう腕をもつ指揮者は、指揮者を本業としている人でも、そう多くない。

陽ちゃん先生や、畑中先生は それはそれは見事な 名伯楽でした。
私は名馬ではないけれど、レッスンを受けるだけで
まるで 歌い方をすべて導かれているかのように 気持ちよく歌えるようになる。
私が馬だとしたら、走るべき道とスピードが 目の前に示されていくかのように。
それも強制的にそこを何キロで走れといわれるのではなく、
自分の意思で、ここをこう走ればいいんだ、というのがわかるようになる。
先生の指導はそういう指導でした。

あのとき、時間的に練習に参加するのが難しかったけれど、
畑中先生に直接指揮してもらえる機会はこれが最後だろうと思って
無理して参加したんだっけ。
やっぱり、最後になってしまいました。

畑中先生は、今年のお正月まで 慶応ワグネルの指揮者をされていたとか。
引退を発表された最後のステージは、「運命の歌」だったそうです。
大震災を経験して この曲を演奏しようと決められたそうです。
運命の歌、合唱をされる方なら曲や歌詞をご存知の方がほとんどかと思います。
前半が天国なら後半は地獄。
でも最後にまた天国が提示される、そこに希望が見出せる曲。
畑中先生もきっと、地獄のような大震災のあとに ふたたび希望は生まれると
そう伝えたかったんじゃないかな。
畑中先生の最後の「運命の歌」、会場で聴いてみたかったです。

ステージの上で歌いながら、あぁもうこの時間が永遠に終わらなければいい、
ずっとこのまま歌っていたい・・・と 思わせてくれる 音楽家。
こんなへっぽこ素人に、そう思わせてくれる すっごい音楽家。

SONYの大賀さんといい、戦後の日本の音楽界を第一線で引っ張っていかれた方が
次々と亡くなられるのは さびしい限りです。

私も40を過ぎ、現役時代の声はもう出し方も忘れてしまいましたが
すばらしい音楽に包まれた夢のような時間は 一生忘れない、ほんとに宝物です。

・・・ありがとうございました。


 

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